認定がモチベーションとなる
ドイツにおける国連「持続可能な開発のための教育の 10 年」

国連は 2005 ~ 2014 年の 10 年間を国連「持続可能な開発のための教育の 10 年」と宣言した。この世界的な教育プロジェクトの実施にあたり、ドイツは先駆的役割を果たしている。すでに 500 を越えるプロジェクトとイニシアティブが「 10 年公式プロジェクト」として認定されている。
持続可能な開発は、教育を通して達成される。すべての人間にとって教育とは、明るく将来性のある社会をつくるために必要な知識、価値観、能力を身につけるための前提である。これはみなが共有している認識である。こうした理由から、「国連の10 年」プログラムの実施を担当するユネスコは、教育と学習をこの 10 年間キャンペーンの中心に据えた。そして今、この国際的な挑戦課題とチャンスに各国が真剣に取り組むことが求められている。
「持続可能な開発のための教育とは、生涯にわたる学習プロセスです。すなわち、幼稚園から学校、職業訓練校、大学、成人教育、さらには、学校以外の場での学習、つまり日常生活のなかで学ぶという行為まで、すべての学習分野、生活分野を含むものです」とゲルハルト・デ・ハーン教授は言う。教育学者である同教授は、この「教育の10 年」キャンペーンの国内実行委員会の委員長をつとめている。この委員会は、ドイツユネスコ委員会が、同キャンペーン実施のために特別に設けた組織である。
これまでにドイツで行なわれたこと
10 年キャンペーンの開始後、実行委員会では今後数年内のドイツにおけるアクションプランを策定した。実行委員会は教育、学術、文化、経済界の関係者と連邦議会、連邦政府、州文部大臣常設会議の代表者から構成されている。アクションプランには特に、この分野におけるすべてのプロジェクトとイニシアティブを、「持続可能性学習のための連合」にまとめることが盛り込まれている。作業グループでは、さまざまな教育分野の専門家が一堂に会し、具体的な行動措置を決定する。またここでは、実行委員会が毎年全国から関係者を招いて開催する円卓会議のテーマも扱う。「公式の 10 年プロジェクト」
「国連の 10 年」の実施状況は、実行委員会が審査して認定する「公式の 10 年プロジェクト」のなかに最もよくあらわれている。
この認定を受けることは、多様な形でおこなわれている教育プロジェクトにとって、「モチベーションをおおいに高めることになるし、新しい協力パートナーを探す場合にもプラスになります」と、プロジェクト「水とふれ合おう!」のコーディネータ、ラルフ・ティーレバイン=ポールは言う。このプロジェクトは、子供たちにいろいろな行動・体験の機会を与え、教育者に研修プログラムを提供することを通じて、持続可能な開発という考え方をハンブルクの幼稚園に広めている。このようにして、すでに学齢以前の段階で子供たちの水に対する意識が養われ、人間の生存に欠かせない要素である水を大切にしようという態度が育まれることになる。S.O.F 環境基金がおこなっているこのプロジェクトには、ハンブルク水道局、民族学博物館、プロテスタント系の社会福祉団体、様々な環境団体などが参加している。
ハイデルベルク国際総合学校のマルギット・クナップ=マイムベルク校長も、学校が認定を受けたことを喜んでいる。「この 10 年計画のロゴを頂いたことで、学校の結束は強まっています。これで新しく赴任してきた先生も、私たちの校風が特別であることにすぐに気づくのです」。同校では、1997 年以降、いわゆる環境監査をおこなっている。これは環境問題に関するイニシアティブとプロジェクトの目標設定、実行、評価をおこなうマネージメントシステムである。これにより、クラスごとに環境スポークスマンを2名置く、他のヨーロッパの学校とネットワークを作る、といったことのほか、持続可能性と関連する内容がカリキュラムに取り入れられる、などの成果が上がっている。
ゴミを一番美しく見せる
展覧会「リ・アート・ワン」のキュレーター、サミュエル・J・フライナーも、10年プロジェクトのロゴが展覧会の可能性をさらに広げることになると確信している。リサイクル素材を活用したアートとデザインの国際展覧会「リ・アート・ワン」は、大人から大きな反響を呼んだばかりでなく、子供や若者のゴミに対する意識も新たなものにしている。一般の参加者が専門家の指導の下に自分のリサイクルアートを作り上げるワークショップも、そうした成果に一役かっている。
次回の円卓会議においても、「持続可能性学習のための連合」は、残り半分となった「国連の10年」に行動力にあふれた楽観的な姿勢で臨むことになるだろう。2009 年春に「持続可能な開発のための教育に関する世界会議」がボンで開催されるのは絶好のタイミングと言える。ドイツは、「国連の10 年」の当初から見せてきた高い取り組みの意欲を今後も保ち、引き続き実践の先駆者としての役割を果たしていけるのか。注目が集まっている。
「国連の 10 年」事務所 フリージャーナリスト ベルリン在住
翻訳:WORTwelt
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2005 / 2008













