プロジェクトについて

Being Faust - Enter Mephisto
    Photo: Goethe-Institut Korea / Yunsik Lim©Goethe-Institut Korea / Yunsik Lim

      Being Faust – Enter Mephisto

      「友人を売って、代わりに愛と富を得ることができるなら、悪い取引ではないと思わないか?」

      Being Faust – Enter Mephisto は、ゲーテの『ファウスト』を題材に開発された、オンラインやSNSの要素も交えたフィジカルなゲームともオンラインゲームともいえる作品。

      この観客参加型のゲームでは、ある決まった場所と決まった時間に集合した人々が、それぞれ若きファウストの役になりきって参加する。スマートフォンを片手に、チャレンジ精神に満ちた参加者はメフィストが甘い言葉で語るバーチャルな「価値」や「理想」=引用文を購入してゆく。ログインによって、ファウストとメフィストの契約が成立、誘惑のゲームの始まりだ。参加者はいったいどこまでリスクを冒すつもりだろうか。成功や美は「購入」することができるのだろうか?平凡だけれども穏やかな日常に戻る道があるのか、それとも真実の愛と友情を手にすることができるのだろうか?

      ファウストとメフィストがもし、このデジタル社会で出会っていたならどうなるのか? ゲーテ・インスティトゥート韓国とゲーム開発会社のNOLGONGが共同で開発したこの新しいプロジェクトの出発点となったのが、この質問だ。だが普遍的な問いかけはつねに変わらない。「人生において大切なものとは何か。自分の価値基準とはどのようにして決まるのか。成功の代償として何を支払うのだろうか?」

      この作品は、ニコラス・シュテーマン演出の『ファウスト』でドラマトゥルクを務めたベンヤミン・フォン・ブロムベルクが、『ファウスト』を現代のデジタル社会に置き換えて解釈して作ったもの。2013年に開発が始まり、2014年秋には韓国のソウル図書館で発表された。

      このゲームのヴァーチャルかつフィジカルな要素が、自分自身と周囲のデジタル世界の関わり方について思いをめぐらし、他の参加者との交流を通じて自らを発見し、ひいては『ファウスト』の本を手に取るきっかけとなるだろう。このゲームは年齢性別問わず誰でも気軽に参加できるもので、『ファウスト』の知識がある人はもちろん、本を読んだことがなくても舞台を見たことがなくても、十分に楽しむことができる。