セックス「レス」 セックス「レス」

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日本家族計画協会の最新のアンケートによると、日本の夫婦の50%が、夫婦生活にとってセックスはもはや意味を持たないと答えている。さらには、18歳から24歳までの日本人男女のほぼ半数にセックスの経験がない。対照的に、バーチャルなセックスに対する需要は、かつてないほど高まっているように思われる。セクシュアリティはリアルな世界からバーチャル世界へと徐々に移行しているのだろうか。世界的な傾向が一足先に日本に訪れたということに過ぎないのか。日独両国の専門家やアーティストがこれらの問いを掘り下げる。
先陣を切るのはザビーネ・フリューシュトゥック(カリフォルニア大学サンタバーバラ校教授・近現代日本研究)。 同氏は、ヨーロッパの科学者と国の管理のもとでの性教育が、日本における性の理解にどのような影響を与えたかを明らかにする。
 
それに続き、山田昌弘(中央大学教授・家族社会学)が、日本の省庁が行った公式の調査結果を分析する。同氏は、調査対象となった人々の大多数がリアル世界における関係のなかでのセックスをきわめて面倒と感じていて、そのためにバーチャルな偽の関係のほうを好んでいる、と統計を読み解く。
 

1990年代に日本初の女性のためのセックスショップを開いた北原みのり(ジャーナリスト・活動家)も、同様の結論に達している。ただし同氏は、日本の夫婦のセックスレスの主要因を、日本の男性中心主義文化に見ている。まったく逆の見方を示すのが白石和彌(映画監督)だ。女性的な視線の影響力が増していると見る同氏は、「日活ロマンポルノ・リブート・プロジェクト」で3人の女性を主人公にし、主に女性の観客をターゲットとした作品を製作した。
 
日本の若い男性がセックスを怖がるのは、結局のところ女性が解放され、女性的なエロスが力を得たためなのだろうか。それとも、男性の満足だけを志向する根強い父権的文化があるためなのだろうか?フリーデマン・カリグは、一夫一婦制という不自然な考え方がそもそも原因なのではないかと見る。同氏は、高い離婚率と西欧のシングル世代の不幸を解決するシンプルな処方箋として「セックス革命2.0」を唱える。
 
しかし、すでにバーチャルのパートナーが1人いるのなら、そもそもリアルなパートナーは必要なのだろうか?ましてや複数のリアル・パートナーを持つ必要はあるのか?ゲーム「VRカノジョ」のキャラクター・アーティスト、平井 雄一は、インタビューのなかで、バーチャルな「夢の女性」をどのように構想し、こうした女性が「代替」以上の存在になりうるかどうかを語る。
もしかすると、人間的な親近感までもが終わりを迎えるのだろうか?カンファレンス「愛とロボット・セックス」委員会(ロンドン)のメンバーであるパトリック・ゲープハルトが、最後にセックス・愛・人工知能(AI)の将来を考察する。
 

本冊子は、2016年に「夢見るデータ」でスタートを切った東アジア地域ドイツ文化センターによる地域プロジェクト「デジタルな私」の一環です。


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