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焦燥の夏

家屋5軒、バス停ひとつ、たくさんの牛とどこまでも続く畑。そこに生きる24歳の女性の物語。

ドイツ北部メクレンブルク地方の片田舎。24歳のクリスティンは、長年の恋人ヤンの実家である酪農家に同居し、牛舎での仕事を手伝っている。子供時代を彩った東西ドイツ統一後の楽観的な雰囲気は、とうに消えている。彼との関係もうまくいかず、酒で苦しさ紛らわしては、殺伐とした日常から抜け出すことを思い描くだけの日々。真夏の陽射しの下で、時間は止まっているかのようだ。そこに風力発電のエンジニア、クラウスがハンブルクからやってきて、世界が再び巡り始める。
長編2作目となるサブリナ・サラビ監督は、殺風景な田舎の日常を官能的で雰囲気に満ちた世界に変容させた。主演のサスキア・ローゼンダールは、圧倒的な演技で第74回ロカルノ映画祭最優秀女優賞を受賞した。

上映日程:4月21日(金)16時/4月23日(日)13時

監督:サブリナ・サラビ
ドイツ、2021年、116分

出演:サスキア・ローゼンダール、リック・オーコン、ゴーデハルト・ギーゼ、他

受賞:

第74回ロカルノ映画祭優秀俳優賞受賞