ユーラシア
beuys on/off

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ユーラシア・プログラムは、ヨーゼフ・ボイスが唱えたユーラシアの概念を︎批判的に継続したものであり、中央アジアのアーティストと職人を繋ぐネットワークづくりを目指している。

ボイスは、ユーラシア文化の伝統的なモチーフを自身の作品やパフォーマンスに取り入れ、東洋と西洋の融和のビジョンを生み出した。しかし、ボイスの死後30年以上が経った今、いわゆる「西洋」は、ユーラシアの歴史についてどれだけ学んできただろうか? 欧米諸国(日本を含む)は長い間、ユーラシアに幻想や憧れを投影してきたが、これはオリエンタリズムの別の形態なのではないだろうか? このような問いを検討し、ユーラシア文化の複雑さと多様性に光を当てるため、私たちは、モンゴル帝国が構築した、ユーラシア全域に広がる歴史的な駅伝ネットワーク「ジャムチ」の概念を再現する。主に中央アジア地域 (カザフスタン、ウズベキスタン、キルギスタン、タジキスタン、トルクメニスタン)で活動する職人とアーティストのネットワークを組織し、ユーラシアを形づくってきた文化の拡がりと混交とを辿る。