オンライン・リーディング出演者募集   『ハート泥棒』 作:ボン・パーク  

Bonn Park © Niklas Vogt           Friedrich Schiller  © Wikimedia Commons
左:Bonn Park © Niklas Vogt /中央:『群盗』初版 © Wikimedia Commons /右 シラー © Wikimedia Commons

応募の方は以下の用紙をダウンロードして、必要事項を記入の上、指定のアドレスにお送りください。(エントリーは5月14日(金)17時までに済ませて、映像(動画)データは5月17日(月)午前9時までに提出ください。)(エントリー受付は終了しました。)
ドイツ演劇界新世代を牽引する劇作家で演出家のボン・パークによる最新作『ハート泥棒(原題 Die Räuber der Herzen)』は、2020年秋にハンブルク・ドイツ劇場(Deutsches SchauSpielHaus Hamburg) で初演の予定でしたが、新型コロナ・ウイルスの蔓延を受けて延期を余儀なくされ、今年秋、改めて発表の日を待っています。

今秋のドイツでの世界初演に先駆けて、この度本作をゲーテ・インスティトゥートでオンライン・リーディングの形で紹介できることになりました。この貴重なプロジェクトに参加する、プロ、アマチュアの演技者を広く募集いたします。

ドイツのオリジナルの配役には、ハンブルク・ドイツ劇場専属俳優の原サチコさんが参加されており、今回は台本の翻訳を担当するほか、リハーサルの指導にも当たってくださいます。テキストの意味や背景にとどまらず、ドイツの公立劇場の制作の現場について知ることのできるまたとない機会です。また映像公開日には、作家やオリジナルの配役の方々との交流の機会も計画中です。

オンライン・リーディングは事前に収録した映像を6月25日(金)、26日(土)に配信し、それに先立つ5月、6月中にZOOMによる個別、全体の読み合わせを行います。応募にあたっては、全体の日程をご確認ください。

応募する方への原サチコさんからのメッセージ

Sachiko Hara © © Sachiko Hara Sachiko Hara © Sachiko Hara
この実験的オンライン・リーディングを一緒に作ってくれる仲間を募集します。ドイツの生まれたてホヤホヤ戯曲で遊んでみましょう。今のあなたと今のドイツ(の一片)を直にぶつけて何がどう変わるのかという実験です。ボン・パークは3年前にドイツ演劇界の新人賞を総なめにした期待の若手で、これからという時にドイツの劇場はコロナでロックダウン。公演中止、新作制作中止などキツい思いをしているドイツ演劇新世代の1人です。ロックダウン真っ只中、彼とハンブルクでこの作品を作りました。この戯曲を書いた18歳のシラーの孤独や葛藤を想像しながら、自分たち演劇を生業に選んだ人間がこの状況下で何をすべきか自問自答しながら、でも日々稽古出来ることを精一杯楽しんで作った芝居です。
芝居がどうしてもやりたい人は勿論、芝居とか見たことないけどやってみたい人、最近夜眠れない人など、どんどんご応募ください。リーディングに付随して、皆さんとハンブルクのオリジナルキャスト、演出家、ドラマトゥルクとの座談会なども予定しています。

応募要項
日本語の台本が読める方なら、年齢、性別他一切不問。
配役は、原サチコさんとゲーテ・インスティトゥートの担当チームで決定します。募集人数は男女合わせて6名から8名、そのうち手品の心得がある方1名、シンセサイザー(あるいは何らかの鍵盤楽器)の演奏も出来る方1名を募集いたします。

登場人物
(全ての役柄は男優でも女優でも可能)
老オツェアン(カジノのオーナー、2人の息子を持つお人好し)
フランツ・オツェアン(その次男、頭はいいが愛に飢え、ひねくれまくった性格)
アマリア(カールの元カノ)
 ※ 以上の3役を2人で演じる。
カールオツェアン(一応主役、ギャングスター)
ファウスティ・シュピーゲルベルク(双子のギャングの一人)
フィスト・シュピーゲルベルク(双子のギャングのもう一人)
ショーティ(奇声で金庫の鍵を開ける特技を持つギャング)
スネイク(シンセを操るギャング)
マジック・ガール(マジシャンのギャング)

応募にあたってはページトップのリンクからダウンロードした用紙に必要事項を記入し、5月14日(金)17時までに指定されたアドレスに送ってエントリーしてください。折り返し台本の抜粋をお送りしますので、朗読の映像(動画)サンプル(mp4)を大容量ファイル転送サービスを利用して、5月17日(月)午前9時までに指定のアドレスにお送りください。(尚、お送りいただいた個人情報は配役の決定と応募者への連絡のみに利用し、第三者へ提供することはありません。)

募集日程
5月14日(金) 17時   エントリー締切
5月17日(月)  午前9時    映像データ送付期限
5月24日(月)までに選考結果を個別に連絡いたします。全体の台本 (PDF) はその時にお送りします。

稽古日程(ZOOM開催、変更の可能性あり。稽古は全日程に参加ください。収録日は参加必須。

5月25日(火)20時~22時 第1回 顔合わせと全体読み合わせ
5月26日(水)20時~22時    グループ①読み合わせ(カール、ファウスティ、フィスト、ショーティ、スネイク・マジックガール)
5月27日(木)20時~22時    グループ②読み合わせ(老オツェアン・フランツ・アマリア)
      ※ それ以外に必要に応じて適宜個人指導あり
6月1日  (火) 20時~22時 第2回 全体読み合わせ
6月8日  (火) 20時~22時 第3回 全体読み合わせ
6月13日(日)15時~22時 収録(参加必須)
6月15日(火)20時~22時 収録予備日

オンライン映像公開および座談会(ZOOM)
6月25日(金)19時 映像配信+トーク(オリジナル版の俳優との座談会、参加自由、通訳付き)
6月26日(土)19時 映像配信+トーク(シラーの『群盗』をテーマにしたボン・パークと専門家によるトーク、参加不要)

謝礼他条件
参加が決まった方には協力費として1人4万円(税込み)をお支払いいたします。

映像は、その後一定期間、ゲーテ・インスティトゥートの特設サイトで引き続き視聴できるようにします。その点について了承いただける方のみご応募ください。

作品について
『ハート泥棒 (Die Räuber der Herzen)』は、ドイツ演劇の古典、1781年に発表されたシラーの『群盗 (Die Räuber)』を原作に、2001年のスティーブン・ソダーバーグ監督の映画『オーシャンズ11 (Ocean’s Eleven)』を織り交ぜたボン・パークによるオリジナル作品。
シラーはゲーテと並ぶドイツ二大文豪で、ドイツの義務教育で今も必ず読まれている。『群盗』の執筆をシラーが始めたのは1779年、彼が若干18歳、厳しい寄宿舎生活を送っていた時で、政治経済が停滞する18世紀後半のドイツにあって、自由と正義を希求するシラー自身の信念が主人公に強く投影されており、1782年の初演時には、舞台を見て失神しそうになった客がいたというほど、熱狂的な反響を巻き起こした。
一方の『オーシャンズ11』はジョージ・クルーニー、ブラッド・ピット、マット・デイモン、ジュリア・ロバーツといったハリウッド・スターが名前を連ねるギャング映画の王道。
そのほか、サティスファイング・ビデオ、Netflixドラマ、アニメ、日本の80年代シティポップなど、ボン・パークのアンテナに引っかかるポップカルチャーが古典作品と重なり合い、今の時代ならではの群盗像を描き出している。


ボン・パーク  (Bonn Park) 
1987年生まれ、ベルリン出身の劇作家、演出家。ベルリン芸術大学在学中、フォルクビューネ劇場で最初の作品を発表。2018年の『Drei Milliarden Schwestern(30億人姉妹)』は、自身の演出によりフォルクスビューネで初演され、フリードリヒ・ルフト演劇賞を受賞したほか、ドイツの演劇専門誌『テアター・ホイテ』でも批評家が選ぶ2018-19シーズンの新進演出家賞を受賞するなど、目覚しい活躍を見せている。

原サチコ
1964年神奈川県生まれ。上智大学外国語学部ドイツ語学科卒。現在、ハンブルク・ドイツ劇場、専属俳優。1984 年より演劇舎蟷螂、オプチカル・マリンカ、ロマンチカ等で活躍。1999 年ドイツの鬼才演出家クリストフ・シュリンゲンジーフとの仕事をきっかけにベルリンへ移住。2004 年東洋人として初めてオーストリア国立ブルク劇場の専属俳優となる。以降ハノーファー州立劇場、ケルン市立劇場、ハンブルク・ドイツ劇場、チューリッヒ劇場に専属俳優として所属。現在までドイツ語圏演劇界で日本人として唯一の劇場専属俳優として活躍中。ドイツでの出演作は60本を超える。(公式HP

詳細

03-3584-3201 TYO-Event@goethe.de