フォルカー・ザッテル & シュテファニー・ガウス
映画
フォルカー・ザッテル
フォルカー・ザッテル(1970年、シュパイヤー生れ)は作家、映画監督、カメラマンとして活動している。バーデン=ヴュルテンベルク映画アカデミーで演出とカメラを学ぶ。映画の仕事に加えて、彼はコンラート・ヴォルフ映画・テレビ大学やケルン・メディア芸術大学で客員講師としてセミナーを開いている。フォルカー・ザッテルの映像作品は、ゲルト・ルーゲ奨学金(2008)や造形芸術著作権利用会社(VG BILD-KUNST)のドキュメンタリーのための編集賞など数多くの賞を受賞している。2011年、彼のドキュメンタリー『アンダー・コントロール - 原子力の考古学』がベルリン国際映画祭でプレミア上映された。フォルカー・ザッテルは場所の描写によって「原子力エネルギー」というテーマとの取組みを映像的に展開する。原子力企業についてのこの映画は、2011年の春、日本での原発事故の結果、ドイツでは社会的論議の中で予期せぬ現実味を帯びることになった。
シュテファニー・ガウス
シュテファニー・ガウス(1976年、ウルム生れ)は映画監督、作家、カメラマンとして活動している。2007年以降はベルリン芸術大学でドキュメンタリーと撮影の部門で指導に当たっている。プラハのFAMU(プラハ芸術アカデミー付属映画・テレビ学校)およびケルン・メディア芸術大学の映画・テレビ部門で学び、ポツダムにあるコンラート・ヴォルフ映画・テレビ大学にもゲストとして滞在した。
彼女の映像作品は、第53回オーバーハウゼン国際短編映画祭(2007)、バンクーバー国際映画祭(2006)、コンテンポラリーアートの展覧会(第12回映像と動きジュネーブ・ビエンナーレBiennale de l’Image et Mouvement Genève;展覧会「セックスワークス」、ベルリン造形芸術新協会Neue Gesellschaft für bildende Kunst)などでも上映された。
いくつかの映画プロジェクトはフォルカー・ザッテルとの共同作業で実現した。例えば、「売春宿」の空間の描写を通して売春業界をテーマとして取り上げた『売春ハウス(Laufhaus、2006)』がその一つである。
ベルリン国際映画祭(フォーラム・エクスパンデッド部門)にて2014年に、シュテファニー・ガウスとフォルカー・ザッテルの監督作『Beyond Metabolism』が、プレミア上映された。ザッテルとガウスは、2013年冬のヴィラ鴨川滞在中に、国立京都国際会館の撮影を行った。1966年に建築家大谷幸夫によって設計され、1997年にはいわゆる「京都議定書」が議決されたこの建物を、本作品では、会議、建築、そして通訳について語る原点としている。