ヴィヴィアナ・カメル
美術 / 文学
ヴィヴィアナ・カメル(1977年生まれ)は大学で映画学と芸術史を学んだ後、ベルリンの「フィルムギャラリー451」で編集者として仕事をしている。カメルの短編小説、脚本、グラフィックノベル、エッセイのテーマは、集合的な文化的記憶の諸々の現象である。
ヴィヴィアナ・カメルは京都滞在中、自身の個人的背景をもとに、広島の被爆少女・佐々木禎子の足跡を辿った。禎子は1943年広島で生まれ、同地で原爆に遭遇した世界で最も有名な被爆者である。そしてヴィラ鴨川滞在中は、自伝的な、また禎子の伝記的な、そして歴史的でもあるグラフィックノベルの制作に取り組んだ。そこではテキストと絵や写真が遊戯的に入れ替わり現れる。しかし中心となるのは、世界中の人々の暮らしに明らかに影を落とし、いつまでも無くならない災いとしての戦争に対する疑問であり、同時に核による破滅への恐怖である。