今年もショートショートフィルムフェスティバル アジア&大阪2017にドイツプログラムが登場し、6本の選りすぐり短編作品を紹介します。
コール・オブ・キュートネス
ブレンダ・リエン/2017年/4分/アニメーション、実験映画/台詞なし
©Brenda Lien
猫たちのあどけない映像からうって変わって悪夢の消費社会で起きている私たちの知らない事実が映し出される。世界中で無秩序に弄ばれる猫の体。物が偶像化され、主観は誰もが手にできる物へと形を変える。猫の体は、天然の嗜好品として権力や欲求、嫌悪のはけ口になってゆく。
集立態
フィリップ・ヴィトマン/2017年/30分/日本語字幕のみ(一部ドイツ語の台詞あり)
Philip Widmann
日本人哲学者、小島威彦が、ドイツの哲学者ハイデガーに宛てて手紙を書く。現代社会にひろがるテクノロジーとどのようにして折り合いをつけるべきか、助言を求める手紙だ。50年以上の時を経て、学者と意欲的な技術者の間で同じ問題が再び議論される。人類とテクノロジーがどのようにして共存し続けられるかを理解するのは難しい。ざらざらした映像の本作は、いつのことか定かではない風景が立ち現れ、時に水や耳障りな金管楽器の音の洪水に見舞われる。
(日本語テキスト:イメージフォーラム・フェスティバル2017サイトより引用)
金は天下の回りもの
マルクス・ミシュコフスキー&カイ=マリア・シュタインキューラー/2016年/6分/白黒/台詞なし
©M. Mischkowski/K.M. Steinkühler
借りた50€札が持ち主の手を転々とする間にあらゆる借金を弁済してゆく―現代が直面している債務危機や「金は天下の回りもの」説を皮肉ったパロディ作品。往年の名作映画のワンシーンが各所に散りばめられている。
抜け道
ジモン・シュタインホルスト、ハンナ・シュトラークホルツ/2016年/20分/アニメーション、ドキュメンタリー/ドイツ語(日本語字幕つき)
©paradies/2016
人生の意味は何だろう?ドラッグや窃盗の罪で刑務所行きを繰り返すアレクサンダー・Kが、自身の日常についてその幸福と苦難を語る一方、麻薬取締り捜査官のバウシャート刑事が犯罪の常習性について厳しい視線を向ける。犯罪と日常を繊細なアニメーション画で描いたドキュメンタリー作品。
サンタマリア
エリック・シュミット/ドイツ/2016/5分/ミステリー、ドラマ/ドイツ語&英語(日本語字幕つき)
©DETAiLFILM
ひょんなことから宝の地図を手に入れた男は、宝探しの旅に出ることに。道中で次々と遭遇するのはギャングに、いわくありげな未亡人、買収された警察官、そして美人の女性警官―iい、いや、違います。彼女は重要ではないのです。この映画はラブストーリーではないのです。
セントラルミュージアム
ヨッヘン・クーン/2016年/14分40秒/アニメーション/ドイツ語(日本語字幕つき)
©Jochen Kuhn
叔父の遺産として相続した美術館。これまで一度も訪れたことはなく、初めて足を踏み入れることに・・・。
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