上映、監督とのQ&A わすれな草

わすれな草 © gnome

2017/04/15 (土)

渋谷ユーロスペース

記憶を失いゆく母と愛を取り戻す両親についての記録

「わすれな草」は、アルツハイマーを患ったジーヴェキンク監督の母親グレーテルの晩年を記録した作品。グレーテルの世話をする父親マルテがスイスでしばし休みがとれるよう、息子ダーヴィット・ジーヴェキンクは実家に帰ってくる。こうしてこのドキュメンタリー映画においてダーヴィットは、脚本家、監督、息子、出演者そして介護者となるのである。介護者という慣れない役割に苦しみ戸惑いながら、記憶を失っていく母親と向き合い、同時に、母親について知らないことがどれだけあったかということに気づいていく。1966年に結婚し、開かれた結婚生活を築き、社会主義ドイツ学生連盟にはじまり後にチューリッヒ革命構築組織で活動していた両親についての物語をジーヴェキンクは語る。
グレーテルの症状は目に見えて悪化していくものの、「わすれな草」は死や病気についての切ない物語ではない。肩の力が抜けてしまうようなユーモアが会話からにじみ出る夫婦の新たな始まりと、家族全員が人生と愛に尊敬をこめて寄り添い合う姿を丁寧に捉えた心温まる作品である。
 
ダーヴィット・ジーヴェキンクはこの作品で2012年ロカルノ国際映画祭の批評家週間部門の最優秀賞を、ライプツィヒ国際ドキュメンタリー・アニメーション映画祭ではゲーテ・インスティトゥート賞を受賞した。
 
4月15日よりユーロスペース他、全国順次公開。
 
日本公開に際し、4月15日、10時20分と12時30分の上映後に監督とのQ&Aを行います。

パネリスト: 河野禎之、ダーヴィット・ジーヴェキング、杉本欣哉、前田隆行、町田克信
司会: 堀田聰子

上映: 4月15日(土)〜 10:20, 12:30, 14:40, 16:30
Q&A: 4月15日、10:20と12:30の上映後

*4月16日(日)以降は以下の時間になります。 10:30, 12:30, 14:30, 16:30

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