演劇 ミロ・ラウ(IIPM) + CAMPO
『5つのやさしい小品』

Five Easy Pieces © Phile Deprez

2019年8月2日(金)19時
8月3日(土)16時
8月4日(日)14時

愛知県芸術劇場小ホール

スイスとドイツを拠点に活動する「政治殺人国際研究所(IIPM-International Institute of Political Murder)」とベルギーのアートセンター CAMPO の制作した演劇作品『5つのやさしい小品』が「あいちトリエンナーレ2019」で上演される。
 
演出家、劇作家、映画監督、ジャーナリストとして活躍するミロ・ラウは、2007年より IIPM を主宰。現実に起きた凄惨な事件や歴史的事象を丹念に調べ上げ、舞台上に再構成している。加害者・被害者双方の証言や、当時のメディアによる記録をもとに編まれる作品群は、一種の再現告発劇であると同時に、明確に意図された政治性と美的強度によって、否が応にも観客に思考と議論とを促す。
 
CAMPOからの招きを受け、オーディションで選出した地元の子供たちとともに創作した本作『5つのやさしい小品』は初演以来、国際的に大きな反響を呼び、世界各地の演劇祭で多数の受賞を重ねている。90年代にベルギー社会を震撼させた、マルク・デュトルーによる少女監禁殺害事件をめぐり、当時の報道や証言を踏まえ、7人の子供たちが「再演」する舞台は、見るものの感情を激しく揺さぶる。社会の劇薬としての演劇は、 目を背けたくなるような出来事を、いかに現実の考察へと繋げられるのだろうか。

IIPM – International Institute of Political Murder (政治殺人国際研究所)は演出家で作家のミロ・ラウが2007年に設立した団体で、スイスとドイツに拠点を構え、ミロ・ラウの演劇、映像作品などの制作やその海外公演を支えている。2007年から現在までに、50作以上の演劇、映画、本、展覧会、パフォーマンスなどが発表されている。設立以来、歴史的、社会的、政治的な題材をマルチメディアを用いた表現に重点を置いており、これらの作品巡って交わされる議論の影響は芸術の分野を超えて多方面に波及している。IIMPの制作した映像やビデオインスタレーション、パフォーマンス、演出作品は多数の世界的な賞を受賞している。
 
ミロ・ラウ
1977年ベルン(スイス)生まれ。NTGent(ゲント市立劇場)の芸術監督。パリ、ベルリン、チューリヒで社会学、ドイツ文学、フランス文学を学ぶ。2002年以来、50作以上の演劇、映像、本、アクションなどを発表。ベルリン演劇祭、アヴィニョン演劇祭、ヴェネツィア・ビエンナーレ、ウィーン芸術祭、ベルギーのクンステンフェスティバルなどさまざまな演劇祭に招かれ、30カ国以上の国で客演を行っている。2017年にはドイツ演劇界の批評家により年間最優秀演出家に選ばれたほか、多少の受賞歴を持つ。創作活動以外に、TV評論家、大学講師、作家としても精力的に活動している。
 
CAMPO
2008年設立された ベルギーのゲントに拠点を置くアートセンター

※ 本来日公演は、ゲーテ・インスティトゥートならびにスイス・プロ・ヘルヴェティア文化財団の助成を受けて実施されます。

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