アーティストトーク [中止] イェルク・ヴィトマン《箱舟》を語る

Jörg Widmann © Marco Borggreve

2020.3.10(火)15:00-17:00

ゲーテ・インスティトゥート東京 、207・209教室

新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、本レクチャーを中止することといたしました。誠に申し訳ございませんが、ご理解のほどよろしくお願い申し上げます。
7月にNHK交響楽団の特別公演としてサントリーホールで演奏されるイェルク・ヴィトマンの《オラトリオ「箱舟」》。日本初演に先立ち、作曲家自身が、神と人類の存在を巡るこの記念碑的大作の聴きどころを語る。
 

《オラトリオ「箱舟」》はハンブルクのエルプフィルハーモニーの委嘱作品で、2017年1月にその杮落しで世界初演された。世界と自分との間の緊張、人間と神との確執、そして人類の存在への疑問を描いた「現代のマスターピース」として賞讃された話題の作品である。
 
その構想中、ヴィトマンは当時未完成だったエルプフィルハーモニーを訪ね、船を想起させるその建物の形や内部の構造を見て、ノアの箱舟に通じるこの作品のイメージとタイトルにたどり着いたという。
 
リブレットには、旧約聖書からアッシジのフランチェスコ、ミケランジェロ、ハイネにアンデルセン、シラー、ニーチェ、ひいてはスローターダイクやシンメルプフェニヒといった様々な時代や場所の人々のテキストを引用して、オラトリウムの伝統を大胆に変容させている。
 
トークでは、自然災害に見舞われることの多い日本で、この曲が演奏されることについての意義についても問いかけてみたい。
 
聞き手は音楽学者の白石美雪氏。
 
イェルク・ヴィトマン

1973年、ミュンヘン生まれ。ミュンヘン音楽大学、のちにはアメリカのジュリアード音楽院にてクラリネットを学ぶ。11歳から作曲をヒラー、ヘンツェ、ゲッベルス、リームらに師事。
数多くの作品がバレンボイム、ナガノ、ティーレマン、ヤンソンス、ラトルらの指揮により、ウィーン・フィル、ベルリン・フィルなどで演奏されている。
クラリネット奏者としてダニエル・バレンボイム、タベア・ツィンマーマン、ハインツ・ホリガー、アンドラーシュ・シフ、キム・カシュカシアン、エレーヌ・グリモーらと定期的に共演している他、ソリストとしてもパリ管弦楽団、ヘルシンキ・フィルハーモニー管弦楽団、ベルリン放送交響楽団、読売日本交響楽団など世界各地のオーケストラと共に演奏して成功を収めている。
2017年からはベルリンのバレンボイム・サイード・アカデミーで教鞭を執りつつ、アイルランド室内管弦楽団で首席指揮者を務めている。
 
下記サイトで《箱舟》をお聴きいただけます(一部)
SchottMusicホームページ

 
NHK交響楽団特別公演《オラトリオ「箱舟」》

7月4日(土)15時
サントリーホール
指揮:ケント・ナガノ、ソプラノ:マルリス・ペーターゼン、バリトン:トーマス・E. バウアー他)
 

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