詩の朗読とトーク 舞い踊る概念

Gestaltung © Andreas Töpfer, Berlin; kook

11月15日(火) 19.00

ゲーテ・インスティトゥート東京 ホール

モニカ・リンクの戦い ―詩とその意義―

モニカ・リンク氏の詩は、思考をかき回していきます。様々なものからインスピレーションを得ている彼女の詩は、作家の博識さを物語っており、キルケゴール、ロラン・バルト、アラン・バディウ、テオドール・W・アドルノ、オウィディウス、パウルス・ベーマー、ハインリヒ・フォン・クライスト、ゲオルク・ビュヒナーほか多くの作家が、リンク氏の言語芸術の中に観念的に流れ込んでいます。リンク氏の詩には繰り返し、一見全く異質なものが並存しており、例えばある詩の中でデータ状況(Datenlage)という言葉は、背負いカゴ(Gartentrage)に変化します。氏の作品の中では、確かな認識というものが揺らいでいきます。確かなものだと思っていたはずの世界は、多重の意味を持つ新たな言葉が作り出される混乱の中に消えていきます。詩は疑問を投げかけ、知覚は刺激的な感覚の中で拡張していきます。
 
プログラム

モニカ・リンク氏による自身の詩の朗読が行われます。リンク氏によって作り出された全く新しい言葉は、彼女の言語芸術の深みを見せてくれるでしょう。
氏の全作品から、様々なモティーフと描写の詩を選出し、二ヶ国語で朗読を行います。
 
朗読に引き続き、モニカ・リンク氏と、現代ドイツ語圏文学の専門家である早稲田大学の山本 浩司准教授によるトークが行われます。

モニカ・リンク
Monika Rinck © kookverein.de 1969年ツヴァイブリュッケン生まれ。大学で宗教学、ドイツ文学、比較文学を学ぶ。現在フリーの作家としてベルリンにて活動中。以前は複数の専門領域にまたがって、境界を越えて繋いでいくような活動をしており、詩人やエッセイストのほか、活動グループ「Das Lemma」にも所属し、また共同生活を追ったリアリティショー『Le Pingpong d’Amour』にも俳優として出演していた。
インターネット上でワークインプログレス形式で行っている「begriffsstudio」では、私たちが普段メディアで見聞きする、新たに作り出された目を引く概念や言葉を模索している。2015年クライスト賞を始め、これまで多くの賞を受賞している。

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