プロジェクト「未来という過去 ~The Future of The Past」: 映画 東ベルリンから来た女

東ベルリンから来た女 ©Christian Schulz/Schramm Film

11月4日(土) 13:30
11月6日(月) 16:10
11月8日(水) 18:15

シネ・ヌーヴォ 


大阪市

ドイツ、2012年、105分、ドイツ語上映(日本語字幕つき)

監督・脚本: クリスチャン・ペッツォルト(Christian Petzold)
出演: ニーナ・ホス、ロナルド・ツェーアフェルト、ライナー・ボック、クリスティーナ・ヘッケ 
 
1980 年夏、東ドイツ。バルト海沿岸の小さな町の病院に、ひとりの女医が赴任してきた。彼女の名はバルバラ。かつては東ベルリンの大きな慈善病院に勤務していたが、西ドイツへの移住申請を政府に却下されて、この地に“左遷”されてきたのだ。一度、祖国を裏切った“前科”のあるバルバラの私生活には、つねに秘密警察の監視の目が光っていた。
些細なことでスパイの嫌疑がかけられかねない時代、バルバラは病院の上司アンドレから寄せられるさりげない優しささえも、シュタージへの“密告”の手段ではないかと猜疑心が拭い切れない。さらに西ベルリンに暮らす恋人ヨルクでさえも、果たしていつまで彼女の味方であり続けるのか?心の拠り所を失くしたバルバラにとって唯一の生き甲斐が、医師としての信念だ。不安に陥る患者を励まし、刻一刻と病状の変化を見守る。患者に注ぐ無償の献身こそが、過度な緊張を強いられて、今にも崩れ落ちそうな彼女の心の支えとなっていた。
恋人ヨルクとのデンマークへの逃亡は、そんな彼女にとって暗黒の日々との訣別となるはずだった。しかし、東ドイツを離れて、自分はいったい何をするというのか。医師としての誇りは?そんなバルバラの揺れる心に、医師としても男性としても誠実なアンドレは、次第に大きな存在となってゆく。果たして、バルバラの選んだ究極の決断とは……?
 
同作品の監督・脚本を手がけるクリスチャン・ペッツォルト(Christian Petzold)は、自身も家族で旧東ドイツから西へ逃亡した経験を持つ。ペッツォルトは2006年に知り合った旧東ドイツ出身の医者から、当時西への移住を申請した医者が、女なら田舎町の病院に左遷され、男は再教育を受けた後に軍医になったという話を聞き、そこから同作品の着想を得る。またオーストリアの作家ヘルマン・ブロッホ(Hermann Broch)が1920年代に書いた、戦闘的な共産主義者のヒロインが、勤務する病院の男性医師に恋をするという小説『バルバラ』にもインスピレーションを受けて構成を考えていった。映画『東ベルリンから来た女』は、2012年のベルリン国際映画祭において銀熊賞(監督賞)、並びにドイツ映画賞(長編映画)銀賞に輝いた。


関連イベント

11月3日(金・祝)18:40~
対談「在日韓国人みずからによる映像」四方田犬彦×李鳳宇(90分)

11月4日(土)18:00~
日独韓台シンポジウム「映画で知る歴史」:四方田犬彦×ゲオルク・ゼースレン×イム・ジヒョン×ジェーン・ユウ(90分)

 

戻る