上映会とトーク
シアターコモンズはさまざまなイベントによって、都市にあらたな「共有地」を生み出すプロジェクトで、パフォーミングアートの力を通じて新たな経験やものの見方を伝える場である。今日、社会の変化に直面して、日々の生活や公共の空間で演劇が果たす役割や意味について、シアターコモンズは探っていく。
港区内の各所でさまざまなプログラムが実施されるが、当センターが紹介するのは、移民問題や変化のさなかにあるヨーロッパをテーマとする2名のアーティストの作品。モロッコ出身でベルリン在住のメディアアーティスト、
ブシュラ・ハリーリの映像作品は、ドクメンタ14のために制作された
《テンペスト・ソサエティ》、また映像作家でビデオアーティストの
藤井光の
《ピレウス／ヘテロクロニア》（2017）は、難民危機とギリシャにおけるその影響をテーマにしたもので、上映に続いてアーティストとの対話も行われる。
「テンペスト・ソサエティ」ブシュラ・ハリーリ
ドクメンタ14で大きな話題を呼んだブシュラ・ハリーリの映画「テンペスト・ソサエティ」をアジア初公開。1970年代に実在し、社会変革の運動をも含んだ劇団の歴史を、異なるルーツを持ちながらもギリシャに暮らす3人の若者が「再演」する本作。彼らの表情、声、身体は、現在のギリシャが経験する分断や破綻、残された希望を静かに暗示する。
上映言語：ギリシャ語・アラビア語・フランス語など（日本語・英語字幕つき）
監督：ブシュラ・ハリーリ
プロデューサー：アレクサンドル・コフマン
ブシュラ・ハリーリ
1975年カサブランカ（モロッコ）生まれ、ベルリンを拠点に活躍中。映像、インスタレーション、写真等のメディアを用い、中東アラブ世界やヨーロッパにおける個人、とりわけ政治的マイノリティの声や歴史を浮かび上がらせる作品で高い評価を受ける。
「ピレウス／ヘテロクロニア」藤井光
ギリシャで撮影・発表された藤井光の新作。カメラは、アテネ近郊にあるピレウス港の時計台とそこに暮らす人々を映す。過去と現在が複雑に絡みあうピレウスは、経済危機に瀕し難民が押し寄せる欧州の最前線でもある。そこに生きる人々の物語は、私たちにどんなヨーロッパの「異なる時間（Heterochronia）」を体感させるのか。
© Hikaru Fuji
藤井光
1976年生まれ。芸術は社会と歴史と密接に関わりを持って生成されているという考え方のもと、既存の制度や枠組みに対する問いを検証し、同時代の社会問題に応答する作品を映像インスタレーションとして制作している。
上映言語：ギリシャ語・アラビア語（日本語、英語字幕つき）
製作：オナシス文化センター(アテネ)
協力：高山明/Port B
日時
2.22(木) ①18:00 ②19:30＋ブシュラ・ハリーリ×藤井光 トーク
2.23(金) ①15:00 ②16:30
2.24(土) ①14:00 ②15:30
2.25(日) ①18:00 ②19:30＋ブシュラ・ハリーリ×高山明 トーク
①ピレウス／ヘテロクロニア（75分）
②テンペスト・ソサエティ（59分）
上記プログラムはシアターコモンズ’18 の一環で実施されます。
入場には全プログラムに参加できる「コモンズパス」をご購入ください。
TICKETS 案内
パスは1種類となります。プログラムごとのチケットはございません。
＊高校生以下、70歳以上、障がい者の方は入場無料。電話予約のみの受付となります。
（予約電話番号：080-3936-6676／受付時間10:00-18:00）
各会場受付にて、スマートフォンにてパスを表示、またはパソコンに表示されたパスをプリントアウトの上、ご提示ください。（パスの発券はいたしません。ご注意ください。）
「テンペスト・ソサエティ」＋「ピレウス・ヘテロクロニア」同時上映
トーク登壇者変更のお知らせ
この度はシアターコモンズのパスのご購入、ご予約誠にありがとうございます。
今回の上映にあわせて来日を予定しておりましたブシュラ・ハリーリ氏が、本人のやむを得ない事情により来日できないこととなりました。同氏のトークを楽しみにしてくださっていた皆様には、このような事態となりましたこと、深くお詫び申し上げます。
これを受けまして「テンペスト・ソサエティ」＋「ピレウス・ヘテロクロニア」同時上映の一環で予定されておりましたトークは、ゲストを一部変更して開催いたします。
2月22日（木）藤井光 × 長谷川新（インディペンデント・キュレーター）
2月25日（日）高山明 × 林立騎（翻訳者・演劇研究者）
また2月22日・23日・24日・25日の映像上映は予定どおりのスケジュールで実施いたします。
ご理解のほど何とぞよろしくお願い申し上げます。
シアターコモンズ実行委員会/ ゲーテ・インスティトゥート 東京ドイツ文化センター
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