上映とトーク ペーター・ネストラー特集

Nestler ©Peter Nestler

2018年11月28日(水)
17:00 プログラム1
19:00 プログラム2

ゲーテ・インスティトゥート東京 ホール

ジャン=マリー・ストローブは戦後ドイツの最も重要なドキュメンタリー映画作家にネストラーを挙げている。ネストラーは、政治的な切れ味を和らげ観客に媚びる娯楽性を加えようとするテレビ放送局の介入に屈することはなかった。一義的な連続性を拒むモンタージュの作品は、ドイツのテレビにはラディカル過ぎるようになり、ネストラーは1966年スウェーデンに移住、以来同地に留まり続けている。
広島国際映画祭に参加するため来日するネストラー監督を東京にもお招きした。

ゲーテ・インスティトゥート東京では、最初期と40年を経た近年からそれぞれ作品をピックアップした2プログラムを上映する。1968年の映画特集「昨日からの別れ-日本・ドイツ映画の転換期」での上映に続く1960年代ネストラー初期のドキュメンタリー映画を特集、さらに2002年の長編『良き隣人の変節』を上映する。この作品は、1943年ソビボル強制収容所の囚人が反乱を起こし321名が脱出に成功したという例のない歴史的出来事に基づいている。中心となるのはこの事件を生き残った囚人でポーランド人のトーマス・トイヴィ・ブラットで、彼は晴れて自由の身となったものの隣人や友人に助けを拒まれ世界がすっかり変わってしまったと感じる。このある個人の運命から作品は、助けを拒絶し突如容易に憎しみを抱えるようになる隣人感情といった普遍的なテーマを掘り下げる。

短編映画特集上映後、ペーター・ネストラーとのQ & Aを、『良き隣人の変節』上映後はネストラー監督と渋谷哲也(ドイツ映画研究)の対談を行う。

プログラム1
 ルール地方にて (1967年)
 ミュールハイム(ルール) (1964年)
 ライン河の流れ (1964年)
 ギリシャについて (1965年)

プログラム2
 良き隣人の変節 (2002年)

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