アーティスト・トーク 演劇についての新たな考察
– トーマス・オスターマイアーを迎えて

Thomas Ostermeier © Brigitte Lacombe

2018/05/08 (火)

20:00

ゲーテ・インスティトゥート東京 ホール

シリーズ企画「演劇についての新たな考察」では、毎回、演劇シーンの最先端を行く関係者を招いて討論会を行っている。今回、5月8日はベルリン・シャウビューネの芸術監督を務めるトーマス・オスターマイアーを招き、今年の「ふじのくに⇄せかい演劇祭」で上演されたヘンリク・イプセン《民衆の敵》の演出について話を聞く。

オスターマイアーはリアリズム的手法を用いて、私たちが直面する社会政治的な軋轢を可視化し、まだ交渉の余地があるものとして提示する。シャウビューネの演目を見ればわかるように、オスターマイアーは、今の時代が突きつける問題を素材としてダイナミックな演出を作り上げ、不安に揺れ動く人間の姿に注目する。ただし、特定の政治的姿勢を押し付けるのではなく、観客が各々の政治的態度を深めるよう働きかけようとしている。

オスターマイアーは2011年のヴェネチアビエンナーレの金獅子賞で生涯の功労を讃えられたのをはじめとして、これまでにさまざまな賞を受賞している。

司会は萩原健氏(明治大学教授 演劇学)。
 
トーマス・オスターマイアー
ドイツ人の演出家(1968年生まれ)。1999年9月からベルリン・シャウビューネの芸術監督を務める。ベルリンの名門エルンスト・ブッシュ演劇学校を卒業後、1996年に若くしてベルリン・ドイツ座に当時併設されていた実験劇場、バラッケ(バラックの意)を率いる。オスターマイアーの演出する古典や現代の作品は、世界中の演劇祭に招聘されており、日本でも2005年にイプセン原作の《ノラ》、マイエンブルクの《火の顔》が上演された。今回はそれ以来、13年ぶりの来日公演となる。
 

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