演劇 & 気候ワークショップ
ドイツの劇団「ミモザ」の来日

© Goethe-Institut Tokyo

4月21日、劇と「環境/気候変動」をテーマにしたワークショップが獨協高等学校でおこなわれました。企画と役者はデュッセルドルフの劇団「ミモザ」(のシュテファニー・ジーバースとカイ・マイスターです。

「ミモザ」劇団は1988年に結成され、さまざまなワークショップ・プロジェクトや劇をドイツや海外の観客向けに作ってきました。「ミモザ」劇団のイベントは子供や青少年向きですが、大人でも十分楽しめます。
最近、日本でも「Fridays for future」運動やプラスチック・ゴミなど「サステナビリティ」に関する言葉がメディアでもよくつかわれ、日本人の生活や意識にも影響を与えています。PASCH校の生徒が「環境意識」や「気象変動」というテーマについてドイツ語と創造力を使い、関わることができるようにするために、「ミモザ」劇団との打ち合わせの中で、劇団のレパートリーの中から「ヨセフィネと風の兄弟」を選びました。環境に関わる内容はこの中に多く取りいれられており、すでにドイツや海外でも何度も上演されています。テラニア国で美しい庭園の花と一緒に暮らしていたジョゼフィーヌというヒロインが、雨が急に降らなくなったため、花のことを心配して水を探しに旅立つ、という話に、劇を見ている生徒たちはすぐに引き込まれました。劇中では生き生きした現在のドイツ語が話されていますが、分かりやすい手振り身振り、おかしな要素もたくさんストーリにふくまれているため、ドイツ語の母語話者ではない観客も話を理解し楽しむことができました。舞台上で、さまざまに役割を変えながら演じる2人の演技はすばらしかったです。舞台設備は少なくすべてドイツ語だけで演じられたにもかかわらず、生徒たちは物語を容易に理解し、「ミモザ」劇団の作り出すジョゼフィーヌの空想的な世界に入りこむことができました。

約1時間の劇の上演のあと、観客と役者のジーバースさん、マイスターさんとの間で簡単なQ&Aがありました。参加者のほとんどはドイツ語を学んでいる生徒だったため、役者が生徒と直接話し、劇や気候ワークショップに興味を持った動機等について話すことができました。演劇は今まで見たことがない、という生徒も多くいました。社会的に重要になってきている環境、気候変動などのテーマについて、生徒は今回の劇やワークショップ以外にも、学校や家で話したことがあり、共感できるテーマだったようです。

引き続き行われた4時間にわたる気候ワークショップで、「ミモザ」劇団の役者の2人は、30人の生徒たちと劇に出てきた環境、気候変動についてさらに話し合い、生徒の興味を深めることができました。ワークショップの始めに、参加者がお互いに知りあうために、演劇教育的な活動がおこなわれました。参加者のドイツ語レベルはさまざまでしたが、ワークショップの様々な活動に参加するには空想力や芸術的能力も必要だったため、語学力の差は問題になりませんでした。体を動かしながらドイツ語をクリエイティブに使う、という組み合わせは参加者にとって新しい体験でしたが、楽しめたようです。面白いオノマトペの発声練習やグループの雰囲気や社会的スキルを高める活動、インタビュー・ゲームや5人グループに分かれて決まったテーマについてオリジナルな劇を作り、最後に発表する活動もありました。「ミモザ」の二人は、ワークショップの主なテーマ「気候」について参加者がダイアログを作り、話をスムーズにすすめるため、生徒の要求に合った様々な活動を行いました。
あまりドイツ語のレベルが高くない参加者も、「ミモザ」の役者二人や他の生徒と協力して有意義な一日を過ごすことができました。違う学校の同じ世代の生徒と「サステナビリティ」や「Fridays for future」運動のような社会的に重要なテーマについて、ドイツ語で交流し、ドイツ語能力を深めることもできました。

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