ゲーテ・インスティトゥート東京で開催されたこの合唱ワークショップには、異なるPASCH校から約20名のPASCH生が参加した。すでに合唱経験のある生徒もいたが、グループで歌うのが初めての若者もいた。
私自身にとって、日本の若者たちとのワークショップは特別なものであった。というのも、一方では、若者たちは私にとってとても身近な存在であり(私自身、日本で育ち、東京ドイツ学園の生徒でとしてこの学校に通った)、他方では、私はドイツで35年間もの間ドイツの若者たちと活動をしてきたため、この状況は私にとっても珍しい経験であったからだ。この慣れ親しんだ感覚と非日常性のダイナミズムが、私にとっても、おそらく生徒たちにとっても、このワークショップを特別なものにしたことだろう。
ワークショップの内容や、私のアプローチに対する生徒たちの反応は、驚くほどオープンなものであった。若者たちは最初から、彼らにとっておそらく馴染みのない発声練習をこなし、コンサートで暗譜できるようにドイツ語のテキストを学ぶ心意気を兼ね備えていた。リハーサルのときでさえ、楽譜やテキストはできるだけ使わないという彼らの姿勢は、リハーサルの状況や雰囲気を即興的なものにしていた。即興的直接的な彼らの共同作業は、同時に彼らの共同表現なのである。
そのため、短い時間の中で一体感を生み出すことができ、それが音にも反映され、とりわけ音楽的表現にも影響を及ぼした。この直接的即興性は、リスニング、ひいては発音にも影響を及ぼした。特に、聞き慣れない声部の色調を認識する際に。
レパートリーは、シューベルトの「菩提樹」やベートーヴェンの「歓喜の歌」のような19世紀の名曲だけでなく、アンドレアス・ブラーニの現代ドイツ歌曲「アウフ・アンス」、実験的な5部形式のカノンによる日本民謡「蛍よこい」、アメリカのシンガーソングライター、カレン・ベスの「Touching」といった曲も扱った。これらの曲はどれも若者たちに好評だった。ここでも、生徒たちの多様なジャンルに対する寛容さが感じられた。
語学部主催の別のワークショップ「Singen auf Deutsch」の受講生たちや、歌手の原田奈緒さん、伴奏者の北見美桜さんも参加した最後のコンサートでは、若者たちが音楽を作る喜びと楽しさを感じているのが伝わってきた。特に、暗譜で演奏された曲では、活発な音楽的対話が展開された。
このワークショップでは、ドイツの文化や言語と音や音楽が組み合わされ、個々人としてもまた共同体として大変特別な体験ができた。
全体として、大成功のイベントだった。