鈴
毎年11月に行われるPASCHの企業訪問は、行事の中でも人気があり今回は初めてのポルシェ訪問です。ゲーテ・インスティテゥート東京とご縁のあるレベッカ・リューケンさんがポルシェ社で研修中であるという縁から、この訪問が実現しました。ドイツ企業だという認識はもちろんありましたが、「ポルシェはポルシェ」という独自性を強く感じていました。
新宿駅からチャーターしたバスで出発し、木更津のインターを越えて山道に入りました。山奥に進むと看板が現れ、最後の坂を上がった先にポルシェエクスペリエンスセンターがありました。世界に9つある施設のうち、ここ木更津は2番目に大きいそうです。
施設は黒を基調としたモダンなデザインで、玄関を入ると広い窓からサーキットが見渡せ、最新モデルやレース仕様の車が展示されていました。各生徒に対し名前入りのネームタグも用意されていおり、すでに生徒たちの期待は大きくなっていました。
館内ツアーは2グループに分かれ、私はドイツ出身のポルシェエクスペリエンスセンター東京の責任者によるシュトルマンさんからの説明を生徒と一緒に聞きました。建物全体が近代的でありながら、デザインには江戸切子をイメージした斜線が取り入れられているとのことでした。また、納車専用のプライベート空間、会議室、シミュレーターなどを案内していただき、それぞれの部屋にはポルシェの名車の番号が振られています。レストランではベルギー出身のシェフが地元食材を使いながら、ポルシェをポルシェをイメージした料理を提供しているそうです。さらに、白を基調とした整備の空間は、明るく清潔感があり、「車の病院」のようでした。トイレのピクトグラムまでこだわりを感じさせるデザインでした。
続いて、車に同乗して運動性能と環境性能を体感しました。わずか2.7秒で100km/hに達する加速や、濡れた路面でのトラクションコントロールの違いを実感できました。電気自動車は静かでありながらスポーティで、街乗りと遠出の両立ができる車だと納得しました。案内してくれたドライバーによると、ここには世界中からがポルシェを体感しに集まっており、この日もサンフランシスコやシンガポールからのお客さんを載せていたとのことです。
ポルシェは環境への配慮も忘れず、地域とも連携していることが分かりました。このエクスペリエンスセンターは、ブランドイメージをさらに高める役割を果たしており、ポルシェのトータルブランディングの一端を垣間見ることができました。ポルシェオーナーが車に対して持つ深い愛情や知識、そしてそこで働く人々の情熱が、このブランドの魅力を支えていると感じました。新しいファンを獲得するためにも、このような取り組みが重要なのだと思います。
ドイツ語での説明を受けた生徒たちは、理解できる部分が多かったようで喜んでいました。ある生徒は、今まで参加したどのPASCH行事よりも楽しい経験となったと伝えてくれました。今回の貴重な体験を提供してくださったポルシェエクスペリエンスセンターの方々、ゲーテ・インスティテゥート東京の皆さんに心より感謝申し上げます。