PASCH生の交流 : セルビア生の日本訪問 2015年

Bienenzucht in Ginza (c) Goethe-Institut Tokyo

セルビア、パンチェボのPASCH校のひとつ、ウロスプレディック高校との交流のはじまりは、2011年にさかのぼります。 2011年3月の東日本大震災の後、絵葉書が送られてきたのがきっかけでした。その後、日本のPASCH生徒新聞  „Japan Heute“ にも、記事が多数送られてきました。そして今年2015年、初めて、日本とセルビアの生徒の出会いが実現しました。

2015年8月22日から9月4日まで、パンチェボから5人の生徒とラドミラ・ニコリッチ先生が来日しました。最初の数日は、日本のPASCH校生徒による「世界一の大都会」東京の探検でした。日本人の生徒たちは、自分たちで観光ルートを考え、案内をしてくれました。 下町の一角浅草から隅田川を船で下って東京湾岸の浜離宮恩師公園へ。電気街・秋葉原を見て歩き、東京のシンボル、東京タワーとスカイツリーの両方に上り、すばらしい景色も楽しみました。セルビアの生徒にとって特に興味深かったのは、上野動物園で、パンダやその他、めずらしい動物を見ることができました。日帰りで鎌倉も訪れ、海岸散策や神社仏閣、青空の下の大仏も楽しみました。
続いて8月26日から8月30日に行われたビデオ・ワークショップには、女性カメラマンのユスティナ・ファイヒトの指導の元、「エコ」をテーマに、12名の生徒が参加し、ビデオ作りに取り組みました。機器の使い方を教わったあと、セルビア人と日本人の混成チームでビデオカメラ、マイク等をもって東京各地の目的地に向かいました。撮影のあとは、編集作業にとりかかりました。画像、音声の収録から編集まで、生徒たちはすべて自力で行いました。日本人と セルビア人生徒のコミュニケーションは容易ではありませんでした。しかし、編集作業の際にはお互いの意思を伝えるために、話し合わなくてはなりません。大変ではあったものの、あとから振り返れば、このディスカッションはコミュニケーション力をつけ、ドイツ語力を高めるのに役立ちました。これは、参加者みんながチャレンジし、乗り越えた壁のひとつといえるでしょう。
そして出来上がった映像がこちらです。

高層ビルの上のミツバチ養蜂場

1つ目のグループは「銀座みつばちプロジェクト」を訪問しました。こちらでは、 東京の真ん中、銀座の高層ビルの屋上でミツバチを育て、蜂蜜を採集する活動をしています。
 

東京の下水はどこへ行く?

2つ目のグループは、東京都のぼう大な量の下水がどのように処理されているかを知るために三河島水再生センターを訪ねました。ここは荒川区にある日本で最初に作られた近代的な下水処理施設です。 
 

水素は未来を救う?

日本の自動車産業は、サステナビリティのために何をしようとしているのでしょうか?
この問題に取り組むために、3つめのグループは港区にある水素ステーションを訪問しました。ここは水素自動車「Mirai」の展示スペースにもなっています。これは「未来」の車、になりうるのでしょうか?

環境保護:オフィスビルに水田?

東京駅近くのオフィスビル  –  特別なことではありません。が、このパソナ・グループのビルの変わっているところは: 訪れる人を驚かせる建物の外観と内部の「緑」です。
 

ワークショップでたくさんの新しいイメージや知識を得たあと、セルビアの生徒たちは最後の数日をホストファミリーあるいはPASCH校の学生寮で過ごしました。また、日本の PASCH校を訪問する中で、日本の学校生活についても知ることができました。そのほか、セルビア大使館とドイツ大使館の訪問も行いました。
 
この交流の注目すべき点は、2つの異なる国の生徒が、自分たちの母語以外の言語、つまりドイツ語で交流したということでしょう。ドイツ語を通じて、生徒たちは知り合い、お互いの文化を知ることができました。とても意味深い文化交流、といえるのではないでしょうか。

Abschluss Workshop (c) Goethe-Institut Tokyo