ザンドラ・ヒュラーは、現在の映画界でもっとも注目される俳優のひとりです。2023年は、アカデミー賞・国際長編映画賞を受賞した『関心領域』と、カンヌ国際映画祭でパルム・ドールを受賞した『落下の解剖学』でいずれも主演を務め、その圧倒的な存在感が国際的な評価を決定づけました。またそれに先がけ、2016年に『ありがとう、トニ・エルドマン』で世界中の映画ファンを魅了しています。ザンドラ・ヒュラーの演技は、自己を揺るがしながらも軸を失わず、精神や感情、存在の不確かさを内包し、曖昧さをそのままスクリーンに映し出す。そんな彼女のイメージこそ、まさに芸術といえるでしょう。