オルガ・ホルツシュー
美術
オルガ・ホルツシューは、美術家として、ケルンを拠点に活動している。
その作品においては、写真、彫刻、パフォーマンスが密接に絡み合っている。儚く変化しやすい素材や手法を用いて、不安定さ、痕跡、インデックスやアイデンティティ、身体的存在感などについての問いを探求している。
これまで、カッセル芸術大学で、美術、ビジュアルコミュニケーション、芸術学を学んだ。また、アーティスト・イン・レジデンスで、ブリュッセルやイスタンブールに滞在した。自身の作品は、ドイツ国内外の様々な展覧会で展示されている。例えば、クンストハレ・ミュンスター(ドイツ)、ブリュッセルの Ballon Rouge Galerie (ベルギー)、 Art Weekend Belgrade (セルビア)、ケルンのテンポラリー・ギャラリー(ドイツ)、ベルリンの「Eigen+Art Lab」(ドイツ)、ウィーンの Christine König Galerie のケーニッヒ2展示室(オーストリア)、カッセル芸術協会(ドイツ)、杭州の中国美術学院美術館(中国)などがある。また先ごろ、パトリツィア・ダンダーとユリアーネ・ドゥフトの文章によるホルツシューの研究本『hold on』がディスタンツ社から出版された。
ヴィラ鴨川滞在中は、ユーラシア圏で目下重点的に行っている研究を続けたいと考えている。その際、生態学的な関連性や条件が、文化的・芸術的生産にどのように物質的な痕跡を残すかをリサーチする予定である。桜の花は、日本の伝統工芸とポップカルチャーの双方に繰り返し登場するモチーフである。これらの文化的生産物は、その国の文化、芸術、アイデンティティの記録としてだけではなく、あるいはまさに絶滅しつつある植物相のアーカイブ文献として、どのように理解できるのだろうか? そして、それらは将来どうなっていくのだろうか?
京都滞在中は、地域の桜の研究者や芸術家、文化活動家らと協力して、これらの疑問を探求し、それを新たな彫刻のかたちや物質的な言語に落とし込みたいと考えている。