|

10:00-18:00

ひとり(ぼっち)

展覧会|Solitude: Loneliness & Freedom

  • The Terminal KYOTO, 京都

  • 料金 入場無料

© Satoko Matsui © Satoko Matsui

© Satoko Matsui © Satoko Matsui

奇妙なウィルスの拡散によって世界中が停止した2020年。振り返れば、その後の数年間はかつてないほどの静けさに包まれていました。しかし戦争や内紛は止むことなく、政治的混乱は今もなお続いています。一方、AIの急速な進化と私たちの生活への介入によって、人間がこれからどのような存在になりうるのかを見通すことはきわめて困難になりました。それゆえでしょうか、インターネットやSNSを介して誰もが誰かと即時に繋がるようになったにもかかわらず、人々は常に不安を抱え、どこにいても孤独感に苛まれているように思えます。

「孤独」をテーマにした本展は、東・中央アジア地域の10都市にあるゲーテ・インスティトゥートが共同展開するプロジェクトSolitude: Loneliness & Freedomの一部として企画されました。林寿美をキュレーターに迎え、平面、立体、映像、インスタレーションなど、国内外のアーティストの作品を通じて、ネガティブでありながらポジティブにもなりうる日本人特有の孤立感情を「ひとり(ぼっち)」と名づけて検証します。
 

キュレーター

林 寿美

(はやし・すみ)
国際基督教大学卒業後、DIC川村記念美術館に勤務し、ロバート・ライマン、ゲルハルト・リヒター、マーク・ロスコの個展などを企画。2012年に独立し、横浜トリエンナーレ(2014年、2020年)、「トラベラー まだ見ぬ地を踏むために」(2018年、国立国際美術館)、ゲルハルト・リヒターの豊島プロジェクトをはじめ、国内外の展覧会やアートプロジェクトに携わる。2019年には神戸のアート・プロジェクト「TRANS- 」のディレクターを務めた。神戸大学国際人間科学科非常勤講師、国際美術評論家連盟会員。主な著書に『ゲルハルト・リヒター 絵画の未来へ』(2022年、水声社)。

参加アーティスト

  • (1936-2023)
    大阪府堺市生まれ。幼少期を中国で過ごし終戦後に帰国。大阪市立美術研究所で学び、1950年代後半より作品を発表して現代彫刻の旗手として活躍するが、2005年に「作らない彫刻家」宣言をして制作を絶ち、2023年に逝去するまで独自の作家人生を歩んだ。本展では、「何もすることがない」といった孤独な作家の独白の言葉を板に繰り返し刻んだ平面作品(5点組)と、明治時代の彫刻家・平櫛田中の釣人像にならった《田中を似る》を出品する。

  • (1981- )
    京都市立芸術大学大学院美術研究科修士課程(絵画専攻)および博士課程(美術)修了。不在の空間を生み出す構造について研究を重ね、日常生活の背景となる家そのものや美術作品を成立させる支持体といった、一般的に認識されにくい対象を用いて“何かが欠如した状態”を提示することで、現代社会や制度に対して曖昧に言及する。本展では、“見せかけ”の電気ストーブにくわえて、新作を発表予定。京都在住

  • Andreas Hartmann(1983- )
    ポツダムのコンラート・ヴォルフ映画テレビ大学とベルリン大学で学び、現在もベルリンを拠点に映画や写真を手がけるほか、ラジオのプロデューサーとしても活動。トロント、サンパウロ、ベルリンなど世界各地の国際映画祭で作品を上映する。2014年に京都滞在中に制作したドキュメンタリー映画《自由人》は、第22回釜山国際映画祭にて釜山シネフィル賞を受賞。本展では、ある日忽然と姿を消す日本人と“夜逃げ屋”を取材したBBCのラジオ番組「How I Disappear-なぜ私は消えたのか」をサウンドインスタレーションとして発表する。

  • 東京生まれ。東京藝術大学大学院映像研究科(アニメーション専攻)在学中に「六本木アートナイト」のスピンオフ・プロジェクトで短編アニメーションを発表。同学修了後も、オタワ国際アニメーション映画祭、シチリア島バゲリーアでのアニマフィックス映画祭、フランクフルトで開催された映画祭Nippon Connectionなどに参加する。本展では、”孤独“をテーマにした新作を、地下防空壕で発表する。

  • Marie Schleef(1990- )
    ドイツ、ゲッティンゲン生まれ。ベルリンを拠点に活動するシュレーフは舞台演出家で、今年5月~8月まで京都の鴨川ヴィラにレジデントとして滞在した。滞在中のプロジェクト《私は日本が好き、日本も私が好き》は、1974年にヨーゼフ・ボイスがニューヨークのギャラリーで野生のコヨーテと3日間共同生活した有名なパフォーマンスへのオマージュである。シュレーフは、日本製ロボット「LOVOT」を親友、または愛すべきペットとして用いることで孤独という概念を探求した。

  • (1987- )
    北海道生まれ。京都と東京を拠点に活動。京都造形芸術大学(現京都芸術大学)大学院修了。写真の古典技法や古写真に関する歴史を学び、かつてあった景色や物、出来事などに対する眼差しやそれらを想起する手立てに関心を持ち、不在や喪失をテーマに制作を行う。
    本展では、マリー・シュレーフとLOVOTの生活を記録し、共同で新作を手がける。

  • (1979-  )
    ポーランド生まれ。ベルリンを拠点に活動するロガルスカは、他者と協働して特定の場やパフォーマンス、映像、インスタレーションを制作し、未来に開かれたアイデアを探求している。これまで、化石燃料を食事として提供するSFディナーを開催したり、催眠状態のアクティビストたちが未来社会のシナリオを語るパフォーマンスを実施したり、ジョージアの多声合唱団にデジタル・ディバイド(情報格差)についてのコメントを歌で表現してもらったりしたほか、ポスト家父長制社会をテーマにしたロールプレイングのライブセッションや、涙を現金で買い取る期間限定のショップ《涙の売人》を共同主催し。
    本展では、日本特有のコンビニ文化に着目し、京都市立芸術大学の学生らとともに考案した孤独を癒すための様々な“商品“を使って新作インスタレーションを制作する。

助成