土橋 素子、アーティスト

「私はドイツの芸術アカデミーのコンセプトにすぐに魅了されました。そこでは、アート界で現役で活躍する教授陣と直接言葉を交わしながら学ぶことができたのです。」

東京で絵画を学んだ後、アーティストとして活動を広げていく方法についてより具体的に学びたいと思い、ドイツに行くことを選びました。日本の授業は講義形式だったので、私はドイツの芸術アカデミーのコンセプトにすぐに魅了されました。そこでは、アート界で現役で活躍する教授陣と直接言葉を交わしながら学ぶことができたのです。若いアーティストにとって、彼らの経験から学ぶことは本当に多く、重要なことばかりでした。

Motoko Dobashi

ドイツで私は多くの同世代のアーティストと出会い、仲間を得ました。日本では残念ながら芸術家仲間を得ることは難しく、美術大学で学びながらも学生達はアーティストになろうとは考えていませんでした。彼らは、アーティストとしては生計を立てられないのではないかと不安に思っているのです。アーティストになるという決断は、私にとっても日本にいた頃よりもドイツに来てからの方が容易に思えました。芸術に対する理解が日本とは異なり、ドイツではアートは人目に付く公共空間に設置され、多くの人は自分自身をコレクターとして認識し、芸術と積極的に関わります。このことが、絵を売ることについて言われるワンパターンな言説から離れて、アーティストが自分自身を実現するための多くの可能性を解放します。

私自身の例えで言うと、アートを建築にインストールします。海外に住んでいると、新しい土地の人や状況に目を向けますが、私にとっては第三の柱として建築が非常に重要です。 日本のファサードに、私のインスタレーションを展示しようとは思えませんでした。このように私の芸術的表現は、ドイツでの日常生活の中で受けたインスピレーションと強く結びついています。

土橋 素子 1976年、徳島生まれ。東京の武蔵野美術大学造形学部油絵学科で学び、ゲーテ・インスティトゥート東京で6カ月間の集中コースに参加した後、2000年からミュンヘン芸術アカデミー絵画グラフィック学科へ入学し、マイスターシューラーを取得。その後、ミュンヘンのピナコテーク・デア・モデルネや東京の国立新美術館などで数多くの展覧会に参加。 2017年からは、アンナ・フリーデル氏と共にANMO Art/Chaというティーサロン併設のアートギャラリーをデュッセルドルフにてオープン。数多くのメディアが取材し、「新しい芸術現象」などと報じた。