シンポジウム
日独のニューウエーブにおける女性映画作家と現在

クラウディア・フォン・アレマン『大切なのは変革すること』
© Claudia von Alemann

unrest 62|22ーパパの映画への挑発 Part 1: 女性映画作家62|22

ゲーテ・インスティトゥート東京 ホール

 

登壇者:小田香(アーティスト、映像作家)斉藤綾子(映画研究者、明治学院大学)、マデレーン・ベルンストルフ(キュレーター、映画研究者)

司会:平沢剛(unrest 62|22キュレーター、映画研究者)

ドイツと日本におけるニューウェーブは、オーバーハウゼン宣言、ニュー・ジャーマン・シネマ、松竹ヌーヴェルヴァーグを中心としたニューウェーブ、アンダーグラウンド映画や実験映画の興隆などが知られている。そうした新しい映画運動のなかで、女性映画作家および映画人はどのような活動や表現をしてきたのか、今回上映される作家や作品を中心に、その検証を行う。また、現代の作家から見た歴史的な実践、および歴史から見た現代の作品や映画運動の可能性を、あわせて議論していきたい。

登壇者紹介


小田香

1987年大阪府生まれ。フィルムメーカー/アーティスト。イメージと音を通して人間の記憶(声―私たちはどこから来て 、どこに向かっているのか―を探究する。2013年、映画監督のタル・ベーラが陣頭指揮する若手映画作家育成プログラムであるfilm.factory (3年間の映画制作博士課程)に第1期生として参加し 、2016年に同プログラムを修了。2014年度ポーラ美術振興財団在外研究員。ボスニアの炭鉱を主題とした第一長編作品『鉱 ARAGANE』(2015) が山形国際ドキュメンタリー映画祭・アジア千波万波部門にて特別賞を受賞。その後、リスボン国際ドキュメンタリー映画際、マル・デル・プラタ国際映画祭(アルゼンチン)、台湾国際ドキュメンタリー映画祭などを巡る。2017年にエッセイ映画『あの優しさへ』が完成。ライプティヒ国際ドキュメンタリー&アニメーション映画祭ネクスト・マスターズ・コンペティション部門にてワールドプレミア上映。2019年最新作長編『セノーテ』が完成。山形国際ドキュメンタリー映画祭、ロッテルダム国際映画祭などに招待され各国を巡回。2020年、​第1回大島渚賞を受賞。
2021年、『セノーテ』の成果により第71回芸術選奨文部科学大臣新人賞を受賞。

斉藤綾子 

UCLA映画テレビ学部大学院博士課程修了 、 Ph.D. 。明治学院大学文学部芸術学科教授。専門は映画研究、フェミニズム批評。 編著に『映画と身体/性』(2006) 共編著に『映画女優 若尾文子』(2003)、『可視性と不可視性のはざまで 人種神話を解体する 1』(2016)、共著にThe Oxford Handbook of Japanese Cinema (Oxford University Press, 2014), Tanaka Kinuyo: Nation, Stardom and Female Subjectivity (Edinburgh UP, 2018), A Companion to Japanese Cinema (John Wiley and Sons Inc., 2022)など。

マデレーン・ベルンストルフ

ベルリンを拠点に、映画を中心とした執筆、人材育成や教育及びキュレーションの分野で活動している。1984年ベルリンの映画館 Sputnik (1984)、1989年フェミニズム的映画教育を目的としたグループ Blickpilotin(眼差しのパイロット)を共同で設立。リサーチをベースに、フェミニズム的な動機の共同プロジェクトを展開しており、前衛映画、移民や抵抗運動に関する映画、または初期の映画などを扱っている。これまでの企画に「初期のインターベンション、婦人参政権論者-可視化の極端論者たち」(2010)などがある。2022年2、3月ベルリンのプロジェクト Sinema Transtopia にてボリャーナ・ガコヴィッチと共に「記憶の物質性―(ポスト)ユーゴスラビアの経験」をキュレーション。複数の大学でドキュメンタリーを中心に映画史を教えている。

 

詳細

ゲーテ・インスティトゥート東京 ホール


107-0052 東京都港区赤坂7-5-56
ドイツ文化会館内
Tel. 03 35843201
東京

言語: 日本語・ドイツ語、同時通訳付
料金: 入場無料、なるべく事前にお申込み下さい。

03-3584-3201 info-tokyo@goethe.de