哲学ワークショップ
現代を生きる私たちと現象学
——「共感」の視点から ——

Foto: Colourbox.de/mothlady
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京都・ケルン姉妹都市提携60周年記念事業

ゲーテ・インスティトゥート・ヴィラ鴨川

京都とドイツの間には哲学を通した長年にわたる交流があります。今回のワークショップでは、これまであまり光が当てられることがなかった、現象学をめぐる同志社大学(京都市)とドイツの諸大学との交流と、現象学の現代社会における意義に焦点を当てます。現在、同志社大学とケルン大学の間には、現象学研究の交流を通したつながりと、これからの展望があります。こうした背景から、京都・ケルン姉妹都市提携60周年にあたる2023年、現象学をテーマに哲学ワークショップを開催します。

現象学は、科学的探究以前の生活世界、私たちが日常的に体験する世界をテーマとする哲学です。しかし、科学と対立するのではなく、科学的成果を取り入れながら変わり続ける世界に注目し、そこに生きる人間の解明を扱います。従来の、社会性への分析を欠いた主観性の哲学、さらには独我論にすぎないといった、現象学に向けられてきた批判に対して、現在の研究によって、むしろ現象学には、他者や社会との関わりを分析する豊かな可能性が秘めてられていることが明らかにされてきています。

グローバル化や多様性の時代において、また情報に溢れ、フェイクニュースが拡散される私たちの社会や生活にとって、他者との関わりを基本に、ものごとを紐解く現象学の手法は、どのような意味を持つのでしょうか?また、その将来への可能性とは?今日の学際的な研究でしばしば取り上げられる「共感」をキーワードに、参加者の皆さんと考えます。


講師:

Foto: Thiemo Breyer © Foto: Thiemo Breyer Foto: Thiemo Breyer Foto: Thiemo Breyer
ティーモー・ブライヤー(ケルン大学・フッサール文庫所長)
フライブルクとケンブリッジで哲学、人間学、認知科学を研究し、『注意性と志向性』で学位をえたのち、ハイデルベルク大学カール‐ヤスパース講座で助手を務め、『身体化された相互主観性と共感』によって教授資格を取得後、2014年ケルン大学にユニオプロフェッサー(Juniorprofessor)として招聘される。2018年からはケルン大学の現象学と人間学の正教授であり、2021年からはケルン大学フッサール文庫の所長を務めている。古典的現象学と現代現象学、哲学的人間学と学際的人間学、解釈学、科学論を主要領域とする。主要業績:On the Topology of Cultural Memory (2007), Attentionalität und Intentionalität (2011), Verkörperte Intersubjektivität und Empathie (2015), Phenomenology of Thinking (Hg. 2016), Phenomenology of Phantasy and Emotion (Hg. 2022), Handbuch Phänomenologie (Hg. 2023).


Foto: Takuya Nakamura © Foto: Takuya Nakamura Foto: Takuya Nakamura Foto: Takuya Nakamura
中村拓也(同志社大学文学部教授)

同志社大学で哲学・倫理学、現象学を学び、学位取得後、コペンハーゲン大学主観性研究センター客員研究員、ケルン大学フッサール文庫客員研究員などを経て2022年から現職。専門はフッサール現象学を中心とする超越論哲学。自我論、時間論、生世界論を主要領域とする。主要な業績:Das Ich der Instinkte in Husserls Manuskripten über die Lebenswelt(2019), Die Phänomenologie des Unbewussten als Grenzproblem bei Husserl(2019), Einströmen: Die dynamische Struktur des transzendentalen Lebens(2023). 他にザハヴィ、アルワイス、リーらの著作の翻訳などがある。


共催:同志社大学文学部、ケルン大学人文学部、ゲーテ・インスティトゥート大阪・京都

同志社大学 © 同志社大学 同志社大学 同志社大学
ケルン大学 © ケルン大学 ケルン大学 ケルン大学
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詳細

ゲーテ・インスティトゥート・ヴィラ鴨川

京都市左京区吉田河原町19-3
606-8305 京都

言語: 日本語とドイツ語(講演にはハンドアウトを配布)

料金: 参加無料

要申込み
Google Form


お問合せ:

hiroko.hori@goethe.de