ドイツ語で書く5人の作家たちが報告と自作の朗読をおこない、複数の文化にまたがる文学活動と自身のアイデンティティとの相関について議論するオンラインシンポジウム。9月11、12日開催。
シンポジウム内容
たとえば「書くこと」について——生まれ育った文化のコンテクストとはしばしば大きく異なる文化的コンテクストのもと、別の言語で書くということ。たとえば「翻訳」について——文学産業の中で慣行される、ほぼ制度化された形式としての翻訳。あるいは、複数の文化を生きる作家たちがおのれの好奇心とその特別な能力にもとづいておこなう翻訳。たとえば「二言語性」について——ある文学活動をある言語で、別の文学活動を別の言語でおこなうということ。
要は、さまざまな方向における、目立たないけれども日々繰り広げられている「交換」である。本シンポジウムではこの交換に光を当て、意識化し、じっくりと考えてみたい。また生まれも育ちも異なる作家たちが各自の経験を語り合い、意見「交換」することも本シンポジウムの目的である。
こうした多面的な活動から生まれるのが、新しいアイデンティティというものだろうか? 時の経過の中で形成され、たえず変化し続けるのが個人のアイデンティティか? そして作家たちが生きている社会のアイデンティティは? それとも顕在化するのはむしろ「同じであること」という意味での同一性なのか? シンポジウムではこうした問いを参加者たちに投げかけてみたい。
プログラム
2021年9月11日(土曜日)日本時間
16時〜:発表者 レオポルト・フェダマイアー(Leopold Federmair)
17時〜:発表者 オルガ・マルティノヴァ(Olga Martynova)
18時〜:発表者 アンネ・ヴェーバー(Anne Weber)
2021年9月12日(日曜日)日本時間
16時〜:発表者 ゼントゥラン・ヴァラタラヤー(Senthuran Varatharajah)
17時〜:発表者 アン・コッテン(Ann Cotten)
18時〜:全体討論
シンポジウム企画・司会
土屋勝彦(名古屋学院大学国際文化学部教授)
レオポルト・フェダマイアー(広島大学教授、作家、文芸翻訳者)
協力 ゲーテ・インスティトゥート東京
戻る