オンライン・リーディング 期間限定公開(Youtube 無料配信)
『ハート泥棒』
作:ボン・パーク 翻訳・上演台本・演出:原サチコ
ハート泥棒リターンズ!
2021年、コロナによるパンデミック下で実施されたオンライン・リーディング『ハート泥棒』が期間限定で帰ってきます!
『ハート泥棒(原題 Die Räuber der Herzen)』(2020)は、ドイツ演劇界新世代を牽引する劇作家で演出家のボン・パークの作品で、2021年秋のハンブルク・ドイツ劇場での世界初演に先駆けて、同年6月に、ゲーテ・インスティトゥート東京でオンライン・リーディングの形式で紹介されました。
この度、ハンブルク版がベルリン・ドイツ座での「Autorentheatertage(劇作家フェスティバル)」に招かれ、6月14日、15日で客演を行うのに併せて、昨年のリーディング映像を6月1日~15日の間、無料でご視聴いただけるようにしました。
作品の翻訳とリーディング台本、そして演出を手掛けたのは、ドイツのオリジナルキャストで、ハンブルク・ドイツ劇場専属俳優の原サチコさんです。出演は、日本のみならず世界各地から応募してきた260名の中から選ばれた10名の俳優たち。さまざまなバックグランドを持つ彼らがその個性を最大に発揮して、ドイツの最先端の演劇作品に挑みました。
出演:阿久澤菜々 梅村綾子 忍翔 (おしょう) 菊池夏野 クーセギ・マーチャーシュ 櫻田将平 溝口悟光 峰一作 三明真実 森山冬子(50音順)
音楽協力:森山冬子/映像協力:富樫 凛/制作統括:横堀応彦
(併せて、同じく昨年7月4日(日)に実施された『ハート泥棒』大・座談会 の録画もご視聴ください。)
作品について
『ハート泥棒 (Die Räuber der Herzen)』は、ドイツ演劇の古典、1781年に発表されたシラーの『群盗 (Die Räuber)』を原作に、2001年のスティーブン・ソダーバーグ監督の映画『オーシャンズ11 (Ocean’s Eleven)』を織り交ぜたボン・パークによるオリジナル作品です。そこには、18歳で『群盗』を書いた若き劇作家シラーへのオマージュとともに、コロナ禍の時期、ドイツの若者たちが抱える葛藤や考えも反映されています。
シラーはゲーテと並ぶドイツ二大文豪で、ドイツの義務教育で今も必ず読まれています。『群盗』の執筆をシラーが始めたのは1779年、彼が厳しい寄宿舎生活を送っていた時で、政治経済が停滞する18世紀後半のドイツにあって、自由と正義を希求するシラー自身の信念が主人公に強く投影されており、1782年の初演時には、舞台を見て失神しそうになった客がいたというほど、熱狂的な反響を巻き起こしました。
一方の『オーシャンズ11』はジョージ・クルーニー、ブラッド・ピット、マット・デイモン、ジュリア・ロバーツといったハリウッド・スターが名前を連ねるギャング映画の王道です。
そのほか、サティスファイング・ビデオ、Netflixドラマ、アニメ、日本の80年代シティポップなど、ボン・パークのアンテナに引っかかるポップカルチャーが古典作品と重なり合い、シラーの時代から250年近く経つ、今の時代ならではの群盗像を描き出しています。
(本作品は、ゲーテ・インスティトゥートの「演劇分野の翻訳助成」によって日本語に翻訳されました。)
ボン・パーク (Bonn Park)
原サチコ