ゲジーネ・シュミット (1966年生れ) は、ドキュメンタリー演劇の劇作家、ラジオドラマ作家、および、ベルリーナー・アンサンブル、マキシム・ゴーリキ劇場、ベルリン・ドイツ座といったベルリンにある諸劇場のドラマトゥルクとして活動している。
多くの賞を受けた彼女のドキュメンタリー・ドラマやラジオドラマは、社会的なテーマを取り上げている。例えばドイツとトルコの関係を扱った「愛のラップ(liebesrap)」(2010)、ロシア系ドイツ人の矛盾に満ちた統合経験、あるいは 「ウップス、間違った惑星!(Oops, wrong planet!)」(2011)での自閉症的人間の内的視点といったテーマである。映画監督/演出家アンドレス・ファイエルとの共作による舞台作品「キック(Der Kick)」(2005)は、映画にもラジオドラマにもなった。
ヴィラ鴨川滞在中、ゲジーネ・シュミットは若い世代の日本人女性に、個人的経験、願望、将来設計についてインタビューを行った。ここで得られた思考法や生き方、そして伝統と現代の狭間にある日本社会の矛盾への洞察をもとに、新しいドキュメンタリー・フィクションの演劇作品を執筆する予定。