1.レクチャーとビデオ(ボヤン・マンチェフ)/2.ディスカッション(小林康夫、星野太、マンチェフ) 1. The Darkness of the Poem〈土方巽とその分身〉2. The End of the Ends, or the Future of Art

Hijikata and his double ©Boryana Pandova

2023/05/25 (木)

19:00

ゲーテ・インスティトゥート東京、1階ホール

ゲーテ・インスティトゥート東京

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新ブルガリア大学の教授で、ベルリン芸術大学でも教鞭を執る哲学者ボヤン・マンチェフが「The Darkness of the Poem〈土方巽とその分身〉と題したレクチャー・プレゼンテーションを行います。続くディスカッションでは、「The End of the Ends, or the Future of Art(終焉の終焉、あるいは芸術の未来)」と題して、小林康夫東京大学名誉教授、星野太東京大学大学院総合文化研究科准教授、ボヤン・マンチェフ教授が芸術と哲学と政治のつながりについて考察します。(協力:慶應義塾大学アート・センター)

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レクチャー「The Darkness of the Poem〈土方巽とその分身〉」では、舞踏の創始者・土方巽の『舞踏譜』と、細江英公による土方巽の写真集『鎌鼬』(1969)から着想を得たポエトリーブック『Dark Poem』に基づき、パフォーマンスの映像を交えてマンチェフが自身の芸術論を展開します。

土方巽は「残酷演劇」を提唱したアルトーの影響も受けて、独自の身体論を発展させましたが、マンチェフ自身が参加する演劇集団「メテオール (Metheor)」もその方向性に連なり、身体や言語、演劇的技法、表現の可能性の限界と可能性を追求して、ラジカルな芸術を実践しています。レクチャーでは関連のパフォーマンス映像を紹介しつつ、このようなラジカルな芸術の原動力を探ります。

ボヤン・マンチェフ(Boyan Manchev)
Boyan Manchev © Boryana Pandova 新ブルガリア大学(ソフィア市)、ベルリン芸術大学教授。英語、フランス語、ブルガリア語をはじめとする複数の言語で多くの著書、論文を発表している。最近の著書に „The New Athanor. Elements of Philosophical Fantastic” (2019)、“Freedom in spite of Everything” (2021)、“Tempus Fugit” (アニ・ヴァセヴァ、小林 康夫との共著、2022) 、“What is Ontology?” (Dimitar Vatsovとの共著、2023)などがある。”L’altération du monde" の日本語版『世界の他化. ラディカルな美学のために』(横田 祐美子:訳、井岡 詩子:訳)は、法政大学出版局の叢書・ウニベルシタスから 2020年に刊行された。
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続くディスカッション「The End of the Ends, or the Future of Art (終焉の終焉、あるいは芸術の未来)」では、ラジカルな芸術と哲学と政治のつながりについて、小林康夫、星野太、ボヤン・マンチェフ各氏が哲学的に考察します。芸術、歴史、世界の終焉という先見性のない強迫観念が、その歴史的有効性の限界を迎えている現在、1960、70年代の芸術家や哲学者の体験を踏まえ、「肉体の叛乱」(1968年、土方巽のソロ作品のタイトル)とは、ラジカルな体験とは何だったのか、ラジカルな芸術とは現代でも存在するのだろうか、そして芸術と哲学は世界を良い方向に変革する力となり得るだろうか、と問いかけるものです。

小林康夫
Yasuo Kobayashi 東京大学名誉教授、青山学院大学総合文化政策学部特任教授、UTCP(University of Tokyo Center for Philosophy)元センター長。専攻は現代哲学、表象文化論。著書に『オペラ戦後文化論1――肉体の暗き運命 1945-1970』(未來社、2016)、『オペラ戦後文化論2――日常非常、迷宮の時代 1970-1995』』(未來社、2020)、『《人間》への過激な問いかけ 煉獄のフランス現代哲学〈上〉』(水声社、2020)、『死の秘密 《希望の火》煉獄のフランス現代哲学〈下〉』(水声社、2021)などがある。

星野太
Futoshi Hoshino 東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。現在、東京大学 大学院総合文化研究科 准教授。専攻は美学、表象文化論。最近の著作として『食客論』(講談社、2023)、『崇高のリミナリティ』(フィルムアート社, 2022)、『美学のプラクティス』(水声社、2022) などがある。



 
ボヤン・マンチェフのレクチャー・プレゼンテーション「The Darkness of the Poem〈土方巽とその分身〉」と、ディスカッション「The End of the Ends, or the Future of Art (終焉の終焉、あるいは芸術の未来)」は、パフォーマンス《Dark Poem:土方とその分身》(メテオール、EU・ジャパンフェスト日本委員会、欧州文化首都プロヴディフ2019年による共同企画)の第3期企画として実施されます。同企画にはその他に、ポエトリーブック『Dark Poem』 (2019) の出版、《Hijikata and his Double》 (2019)、《The Samurai from the North》(2020) のパフォーマンス、ビデオ《 Daruma》 (2021)が含まれています。

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