アナヒタ・ラズミ (1981年生れ、ベルリン在住) は芸術活動の中で文化的アイデンティティ、政治的条件、イメージの記憶、現代における東洋と西洋の緊張の場におけるステレオタイプに関する疑問と取り組んでいる。
アナヒタ・ラズミの作品はドバイ、ハノーバー、テヘランでの個展をはじめ、数多くのグループ展で展示された。2011年にはロンドンにあるフリーズ財団のエムダッシュ賞(Emdash Award)を受賞した。
アナヒタ・ラズミは、ヴィラ鴨川滞在中、日本のイラン移民を例にイランと日本が混じりあう文化の形を探り、オブジェあるいは写真として可能な混合形式を発展させた。背景には、シルクロード時代の日本とペルシャの交易をはじめとする歴史的な日本とイランの交流がある。この時代からの文化的混在を示すものとして知られているのは、例えば京都の伝統的な祭りである祇園祭で巡行する32の山鉾の装飾に見られるペルシャ絨毯がある。京都の高台寺には16世紀のペルシャの絹織の絨毯で作られた陣羽織がある。