ヘニング・ベックホフ
映画

Henning Beckhoff Photo: Henning Beckhoff

ヘニング・ベックホフは、ベルリン在住で、バーベルスベルクのコンラート・ヴォルフ映画テレビ大学で監督コースを学んだ。卒業制作は『OFF SEASON』と言う作品で、ベルリン国際映画祭で上映され、ミヒャエル・バルハウス賞を受賞した。彼の劇映画第1作 『FÜNF DINGE, DIE ICH NICHT VERSTEHE』は数々の賞を受賞し、映画製作会社フィルムギャラリー451により劇場公開された。ヘニング・ベックホフは、ベルリン国際映画祭の人材育成プログラム『ベルリナーレ・タレンツ』に参加したほか、革新的な映像による語りを助成するヴィム・ヴェンダース奨学金を獲得している。またベックホフは、自らの脚本で、カンヌ映画祭のレジデンスプログラムやベルリナーレ・スクリプト・ステーションにも参加した。

ベックホフの新作プロジェクト『DYSPNOE』(呼吸困難)では、妻の別居を受け入れられない学者が、娘と共に日本へ研究の旅に出る。悲しいストーリーとは対照的に登場人物に注がれる温かいまなざしは、離婚についてドイツとは全く違う向き合い方をする国を、見るものに伝える。ヘニング・ベックホフはこの作品において、琵琶湖の風景を、語られることのない、行間に潜む要素として使いたいと考えている。新しい場所、人々、ロケ地に馴染み、集中した環境で脚本を書きたいと言う。彼にとって映画制作は、個人的な映画を追い求めることに他ならない。そこでは異郷は、自分たちの状況や時代について何かを語るための鏡なのである。